剱 岳
日 時 1992年8月26日 〜 29日
コース 室堂〜雷鳥沢〜別山乗越〜剣山荘〜剣岳〜新室堂乗越〜地獄谷〜室堂
第1日8月26日 快晴雷鳥ヒュッテまで
立川から臨時列車のあずさで直接大町まで来る。運良く座れ快適にこられた。
相変わあらず観光客と登山者で賑わっている。バスで扇沢に着く。
黒部平で1時間ほど待たされるが、ほぼ順調に室堂に着く。
のんびり歩き地獄谷への分岐を見送り雷鳥層まで来るが明日を考え
今回はもう一つ先の雷鳥ヒュッテにチェックイン。4:00
温泉に入りゆっくり休む。
第2日8月27日 剣山荘まで
今日はショートコースだが気持ちが高ぶり早く出発準備が出来る。
6:45出発。キャンプ場を通り抜け、浄土川を渡るといよいよ雷鳥沢の登りに
取り掛かる。以前下りに使った時に比べると道が整備され歩きやすい。
ごろごろした雷鳥沢の河原に入りすぐ左の尾根に取り付く。
ジグザクに暫く登る、かなり厳しい。尾根筋を離れ、沢の源頭部の急さかを登ると
剣御前小屋の建つ別山乗越に着く。8:20.
剣沢の雪渓を眺めながら休んでいると、もう下りてくる人がいる。休憩しながら
話を聞くと昨日滑落事故を目の前で見てしまったので、怖くなり
登頂せず下りてきた。との事。人事ではない。私たちも未だ未熟なので、
心配になる。
双眼鏡で眺めるとかなり険しく登れるのか不安になる。
取りあえず剣山荘まで入ることにし出発。剣沢の雪渓は一気に主人は一気に
駆け下りるが、雪が怖い私は腰が引けおっかなびっくりの下りである。
遭難対策小屋の前を通りお花畑を横切って11:00剣山荘に到着。
チェックイン。明日のモーニングコーヒーを注文。
小屋前で昼食をとりながら飽きるほど剣岳を眺める。小屋の周りは高山植物の
宝庫である。
2:00を過ぎると風が冷たくなり小屋に入る。談話室では昨日の遭難の話で
持ちきりである。かなり不安になる。明日の朝まで決定は持ち越し。
第3日8月28日 剣岳登頂〜室堂まで 快晴
素晴らしい天気でご来光を眺めながら朝食。
この素晴らしい天気に昨日までの不安は消える。5:30出発。
鹿島槍のところからのご来光が素晴らしい。久しぶりの眺めである。
小屋の横から稜線に出る。間もなく小さなピーク一服剣に着く。
ほっとするが周囲の景色に緊張する。そこから一旦武蔵谷まで下りいよいよ登りに
取り掛かる。ガレのジグザグ道をゆっくり慎重に登っていくと前剣に着く7:00着。
非常に険しかったが眺め最高!!来た甲斐あり。
いよいよ本コース最大の難コースに取り掛かる。
やせた山稜を少し下ると鎖場に出る。鎖や梯子を通過し平蔵の頭に出る。
事故のあったところである。早々に通過し、いよいよかにのたてばいに取り付く。
鎖とボルトを頼りに慎重に登る。
このような登りは一気に高度を稼げるので好きである。
下り専用のかにのよこばいを見送り早川尾根と合流すると山頂に着く。
8:45着。快晴の中にこにこ顔の先客達にお疲れ様と迎えられる。うれしい!!
360度の眺め。標高こそ3000mに届かないが眺めや険しさを考えると
やはり一級の山である。遭難事故の後で不安が大きかったが登った甲斐がある。
若い人が多く我々は年配で、
「お母さん頑張ったねーゆっくり眺めなくちゃー」などなど周りから声を掛けられる。
うれしいやら照れくさいやら複雑である。
心残りだが11:50下りにかかる。すぐかにのよこばいに入る。
大きな岩陰に足場があり見えにくい。
その上鎖が細いロープで結んであり不安が募り、思い切って足が伸ばせない。
先に行った男性が「もっと足を伸ばさないと」と声を掛けてくれる。
目をつぶり思い切って第一歩を踏み出しよこばいに入る。物凄く深い谷。
深さ数百メートルいや1000メートルあるかも知れない。
慎重にトラバースし梯子で平蔵谷の避難小屋に着く。
難所の通過はほぼ終わりホットする。一休み。
朝来た道を小屋まで下る。昼食をとり帰路に着く。
稜線を別山乗越から新室堂乗越を通り雷鳥沢に3:30着く。
ミクリが温泉に泊まりたいと思い地獄谷に入る。
硫黄の中を歩き温泉への登りが疲れた足には応えた。
満員で断られる。仕方なく又室堂を下り雷鳥荘に相部屋ながらチェックイン。5:30.
第4日8月29日 帰宅 快晴
ゆっくり朝食をとり8:00出発。
朝からじりじり暑い中を室堂から大町へ出る。
上りは今日も満員だが下りはのんびりしている。
10:55大町着。直通に乗ることにしてお土産を見たりお昼を食べ待つ。
快晴の中憧れの山に無事登れうれしく、最高の山行だった。